CVE-2018-20250 の詳細
CVEの情報
説明:
In WinRAR versions prior to and including 5.61, There is path traversal vulnerability when crafting the filename field of the ACE format (in UNACEV2.dll). When the filename field is manipulated with specific patterns, the destination (extraction) folder is ignored, thus treating the filename as an absolute path.
CVE更新日: 2019-02-05 20:29:00.243000
CVSSバージョン: 3.1
CVSSスコア: 7.8
KEVの情報
KEV更新日: 2022-02-15
EPSSの情報
EPSSは脆弱性が今後30日以内に悪用される確率を予測するスコアリングシステムで、FIRST(Forum of Incident Response and Security Teams)が提供しています。
EPSSのスコアが高いということは、攻撃されるリスクが高いことを意味するので、早めの対策が必要です。
EPSSスコア: 0.960040000
EPSS更新日: 2026-10-19 00:00:00
SSVCの情報
SSVCはカーネギーメロン大学ソフトウェア工学研究所が提案する脆弱性の評価手法です。ステークホルダーごとに脆弱性対応の優先度を決定することを支援します。
本サイトでは、CVE、KEV、EPSSの内容からExploitation(悪用状況)、Technical Impact(技術的影響)、Automatable(自動攻撃の可否)を判定します。
Exploitation: active
Technical Impact: high
Automatable: False
WinRARのCVE-2018-20250に関する調査結果を以下にまとめます。
1. 脆弱性の概要
CVE-2018-20250は、RARLABの圧縮ツール「WinRAR」に存在した、ACE形式アーカイブファイルの処理におけるパストラバーサル(ディレクトリトラバーサル)の脆弱性です。具体的には、ACE形式ファイルを扱う際に使用される古いライブラリファイル「UNACEV2.DLL」にこの脆弱性が存在していました。攻撃者は、細工されたACE形式のアーカイブファイルを作成し、そのファイル名を特定のパターンで操作することにより、解凍時に指定された保存先フォルダを無視し、任意の場所にファイルを展開させることが可能でした。これにより、結果的にリモートでコードを実行される危険性がありました。この脆弱性は19年以上前から存在していたとされています。
1.1 影響
この脆弱性が悪用されると、攻撃者は細工したACEファイルを被害者に解凍させることで、システム上の任意の場所にファイルを書き込むことができます。これにより、Windowsのスタートアップフォルダなど、実行に敏感な場所にペイロード(悪意のあるファイル)を書き込み、システムの再起動時などにコード実行を確立することが可能になります。 攻撃者は、不正なファイルをスタートアップフォルダに配置することで、被害者のPC起動時に自動的にマルウェアを実行させることができます。 また、場合によってはNet-NTLMハッシュを窃取される可能性も指摘されています。 この脆弱性は、標的型攻撃で実際に悪用された事例も確認されています。
1.2 深刻度
CVSS v3の基本スコアは7.8(High)と評価されています。 CVSS v3の評価基準は以下の通りです。 * 攻撃元区分 (AV:L): ローカル (攻撃者がターゲットシステムに物理的にアクセスするか、ローカルユーザーとしてアクセスできる必要がある) * 攻撃条件の複雑さ (AC:L): 低 (特別な条件や複雑な回避策は不要) * 必要な特権レベル (PR:N): 不要 (攻撃に特権は不要) * ユーザーインタラクション (UI:R): 要 (ユーザーの操作が必要、この場合は悪意のあるアーカイブの解凍) * 影響の想定範囲 (S:U): 変更なし * 機密性への影響 (C:H): 高 (機密性の高い情報が完全に漏洩する可能性がある) * 完全性への影響 (I:H): 高 (情報が完全に改ざんされる可能性がある) * 可用性への影響 (A:H): 高 (システムの可用性が完全に損なわれる可能性がある)
CISA (Cybersecurity and Infrastructure Security Agency) のKnown Exploited Vulnerabilitiesカタログにも追加されており、実際に悪用が確認されている脆弱性としてリストされています。
2. 対象となる環境
2.1 影響を受けるOSバージョン
この脆弱性はWinRARの特定のバージョンに影響を与えるものであり、OSのバージョンに直接依存するものではありません。しかし、WinRARがWindows OS上で動作するため、実質的にWindows環境が影響を受けます。
2.2 影響を受ける設定
WinRARのバージョン5.61以前(5.61を含む)が影響を受けます。特に、ACE形式のアーカイブファイルを取り扱う際に使用される「UNACEV2.DLL」ライブラリに起因する脆弱性です。 WinRARは拡張子ではなくファイルの内容によって種類を判断するため、拡張子が「RAR」などに偽装されたACEファイルでも攻撃に悪用される可能性があります。
3. 影響を受けた時の兆候
影響を受けた場合の明確な兆候を特定することは困難ですが、以下のような挙動が考えられます。 * 身に覚えのないファイルがWindowsのスタートアップフォルダなど、通常とは異なる場所に作成されている。 * システムの起動時に不審なプログラムが実行される。 * 予期しないシステム動作、パフォーマンスの低下、またはクラッシュ。 * 不審なネットワーク通信が発生している。
4. 推奨対策
4.1 本対策
WinRARのベンダーであるRARLABは、この脆弱性に対処するため、ACEアーカイブの解凍サポートをWinRARバージョン5.70 Beta 1以降で廃止しました。 したがって、以下の対策が推奨されます。 * WinRARを最新バージョン(5.70 Beta 1以降)にアップデートする。 これにより、脆弱性のあるUNACEV2.DLLが削除され、ACEファイルの取り扱い自体ができなくなるため、脆弱性の影響を受けなくなります。 * 他の圧縮・解凍ソフトウェアを使用している場合も、同様に最新版にアップデートし、脆弱性の情報に注意を払う必要があります。例えば、日本のアーカイバである「Explzh」や「Lhaplus」も同様の脆弱性の影響を受ける可能性が指摘されており、それぞれ対策版がリリースされています。
4.2 暫定回避策(緩和策)
その他に解説すべき観点
参照したサイト